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お多福美人講座美しさは福を呼ぶ

みちのく旅日記 3 津軽海峡(に向かう)冬景色

お昼ご飯を食べた後、青森駅の近くにある案内所で手にしたのが、

青森駅周辺の街歩きマップ。

昼からの日帰りで白神山地に行こうかと思っていたくらい

土地勘・距離感が抜け落ちている私に、この地図はぴったり。

「そもそもそこは歩いていけるのか?」

がわかるだけで、ずいぶん旅がしやすくなります。

その地図を眺めていたら、見つけてしまったのです。

《津軽海峡冬景色歌謡碑》

なる文字を!

上野発の夜行列車じゃなくて、県営名古屋空港からFDAに乗ってきてしまったけど、

青森駅は雪!

北に帰る青函連絡船ももう動いていないけど

私の心の中はすっかりさゆりちゃん。

地図には、

“石川さゆりさんの歌が流れます。びっくりしないでね”

という文言が!!

もう、行くしかないじゃないか!

というわけで、今回の青森1日目を

ほぼ青森港とその側にあるA-FACTORYというお店で過ごすことになりました。

リンゴやシードル、青森のお土産を買ったり食べたりできるお店です。

あの歌を聞く限り、

青森駅周辺の、青函連絡船乗り場あたりは、

古くて小さな赤提灯が風に揺れているイメージですが、私が目にしたのはおしゃれな外観のお店。

おしゃれなお店でがっかりしたというのは誠に失礼ですが、

どこにも昭和感がなく、

「こじゃれた」お店

ではなく、

「本当におしゃれな洗練された」素敵なお店でした。

そんなこというと、昭和が洗練されてないようですが、

「昭和の洗練」は、もうすこし装飾の多いイメージ。

私の中で昭和は美空ひばりで、令和は米津玄師。

津軽海峡冬景色の中に米津玄師が現れて少し戸惑ったという感じでした。

私が小学校低学年の頃は、

親戚の宴会などで旅行や料理やさんに行くとカラオケがお座敷にあって

私も

「浪花節だよ人生は」

とか

「もしかしてパートⅡ」

などを熱唱。

両親がともに末っ子で、母の一番上の姉は母と18歳違いなので、

相当古い人たちの中で大きくなりました。

小学校の遠足で小林旭の

「熱き心」

を歌った時のみんなの反応からすると

口ずさむ歌も、多少他の小学生とズレがあったような・・・

芸者時代、80歳以上担当と言われていたのは、生い立ちによるものかもしれません。

その頃の昭和歌謡でよく聞いたのは

細川たかし

山本譲司

五木ひろし

石川さゆり

など

母が渡哲也が好きだったので

くちなしの花もよく聴いたし、

杉良のすきま風も歌っていました。

宴会で、親戚のおじさんが仲居さんのおばさんを抱き寄せたりするのを、

奥さんであるおばさんは「もう」なんて睨みながら言っていたし、

仲居さんは「はいはい」とか言いながら上手におじさんをかわしていたことを思い出します。

退屈すると、館内のゲームコーナーに行って遊んだり、

厨房を覗いて、パートの女性にくっついてきている小学生を見つけて遊んだりしていました。

これらすべてが、今となっては完全に昭和です。

セクハラ、モラハラ、ジェンダー、コンプライアンス・・・

令和の時代ではいろんなところに引っかかる風景ですが、

この時の私は、それなりに楽しく昭和を楽しんでいました。

昭和歌謡を聴くと、

その頃のことや、私を可愛がってくれたおじさんやおばさんのことも思い出すのだと思います。

そんなわけで、強力な磁石に引き寄せられるように津軽海峡冬景色歌碑へと向かいました。

A-FACTORYから青森ベイブリッジといわれる橋の下を通り、

右手が海と青函連絡船の八甲田丸、左手は工事現場と線路という道を3〜4分歩いて

「本当にあるのかい」

と思っていたら、流れてきましたあのイントロが!

雪がちらつく中、海を見ながらのさゆりちゃん。

変なホルモンがいっぱい出ているのを感じました。

昔のカラオケのバックで流れていた映像のようなものを撮るべく、

一人雪の中をスマホ片手に海と歌碑、八甲田丸を行ったり来たり。

一人で何回流すんじゃいというくらい、さゆりセンサーに私を感知させて

阿久悠と三木たかしの世界にひたりました。

撮った動画をご披露したいのですが、結局満足する仕上がりとはならず、

また、著作権などの不都合もあるかもしれないので

残念ですが控えることにいたします。

この先に津軽海峡冬景色が広がっているのか〜と海を見つめましたが、

凍えそうなカモメは見つかりませんでした。

満足な動画は撮れなかったものの、一旦はA-FACTORYへ撤退。

動画を見返し再びさゆりちゃんの世界へ戻ったのですが、どうにも納得がいきません。

再び歌碑への道を歩き、またお店に戻り、再び歌碑へ向かい・・・

と結局三度往復しましたが、カラオケの背景になりそうなクオリティーには至りませんでした。

3回目に店内に入った時にアップルパイとりんごジュースを注文して、

一息ついた時には夕闇が迫っていました。

若干、「何をしているの、私・・・」

という気持ちもありましたが、昭和歌謡を存分に吸い込んで満足された気持ちでした。

この日は着物ではなかったので、人目を気にすることなく海岸までを行ったり来たりできましたが、

もし着物だったら雪の中を人気の少ない海までの道を行きつ戻りつして、

「思いつめた演歌な人」と思って周りに心配されたかもしれません。

スマホ片手なので、コスプレの演歌オタクと思われるか〜?

この後、お店の目の前にある

「ねぶたの家 ワ・ラッセ」へ行き、

駅中の建物「ラビナ」をうろうろしてから、

青森名物ときく

「しょうがおでん」

なるものを探して駅前のおそばやさんを覗きました。

食べようか迷ったのですが、夜に予定しているしじみラーメンに影響が出ることを危惧して、

今回は見送ることに。

そのまま駅前からバスに乗って、ホテル青森まで帰りました。

バス停からホテルまでの道に自然食品店があり、そこに無農薬のリンゴがありました。

奇跡のリンゴで有名な木村秋則さんのほかにも、

青森には無農薬や自然栽培に挑戦するリンゴ農家さんがいらっしゃるようです。

しじみラーメンのお店は9時から営業ということで、ホテルで原稿を書きながらそれまでの時間を過ごすことに。

雪はだんだん激しさを増してきたようでした。